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幻島はるかなり |
推理・幻想文学の七十年 |
紀田順一郎[著] |
2015年1月31日発行 |
定価:2400円+税 |
四六判・ハードカバー・314ページ |
ISBN:978-4-87984-331-9 C0095 |
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内容紹介
めずらかなる書物とともに――
戦中戦後の欠乏の時代、必死に本の形をしたものを求め続けた少年の前に、稀(まれ)ものたちの棲まうもう一つの世界が、その姿を現す――
戦後日本ミステリの隆盛に併走し、幻想怪奇文学の発掘と紹介に心血を注いだ著者による、七十余年のクロニクル。
本書の主要目次
T 奥深い闇を手探る
戦中派のみそっかすとして / 戦争は時間を加速する /
芥川龍之介の『魔術』に感銘 / 探偵小説の幻想怪奇性 / かくて神風は吹かず
etc. . .
U 日の光、雲間を遁れ出て
父の死と戦後の混乱 / 焼跡に甦る書店 / 「宝石」の創刊号 /
新しいミステリの地平 / 純文学派が出会った『Yの悲劇』 / 「ポケット・ミステリ」の登場
etc. . .
V げに春の最中であった
軽蔑されていたミステリ / 推理小説同好会の出現 / 大伴昌司との出会い /
豊年満作のミステリ出版 / 社会人一年生と清張作品 / 推理小説の「鬼」との一期一会
etc. . .
W 山麓に人あり
大伴昌司との因縁 / 開花寸前のサブカルチャー /
初期宝石社の思い出 / 『嫌疑』と転換期の戦後ミステリ
etc. . .
X 忘れ川の流れを見出す
隠栖中の平井呈一尋訪 / アーカムハウスからの便り /
畏友大伴昌司の真実 / 荒俣宏との出会い
etc. . .
Y われらいま種蒔く人
『オトラント城綺譚』初訳が実現 / 雑誌「幻想と怪奇」の思い出 /
『世界幻想文学大系』企画の詳細 / いまだに陽の目を見ない作品
Z 夢より夢を往来して
古書ミステリ執筆の経緯 / 大衆児童文学の集大成 /
幻想文学の積極的意義 / 江戸川乱歩の隠された意図 / 平井呈一の遺品収集
etc. . .
推理小説、幻想文学の世界 思い出の人々
木々高太郎(林髞) / 中島河太郎 / 八木福次郎 /
鮎川哲也 / 星新一 / 都筑道夫 / 厚木淳 /
草森紳一 / 竹内博
etc. . .
著者紹介
紀田 順一郎
評論家・作家。1935年横浜市に生まれる。慶應義塾大学経済学部卒業。
書誌学、メデイア論を専門とし、評論活動を行うほか、創作も手がける。
主な著書に『紀田順一郎著作集』全八巻(三一書房)、『日記の虚実』(筑摩書房)、『東京の下層社会』(同)、『生涯を賭けた一冊』(新潮社)、『知の職人たち』(同)、『日本語大博物館』シリーズ(ジャストシステム)、『書林探訪』(松籟社)、『乱歩彷徨』(春風社)、『横浜少年物語』(文藝春秋)など多数。訳書に『M・R・ジェイムズ怪談全集』(東京創元社)などがある。荒俣宏と『世界幻想文学大系』(国書刊行会)を編纂、『幻想と怪奇の時代』(松籟社)により、2008年度日本推理作家協会賞および神奈川文化賞(文学)を受賞。2006〜2013年まで神奈川近代文学館館長を務めた。
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関連書
『幻想怪奇譚の世界』
『幻想と怪奇の時代』
『戦後創成期ミステリ日記』
『書林探訪』
『読書三到』
『彷書摘録』