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下半身から読むアメリカ小説 |
高野泰志 著 |
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2018年3月15日 |
定価:2,800円+税 |
四六判・ハードカバー・408ページ |
ISBN:978-4-87984-362-3 |
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内容紹介
19世紀のポー、ホーソーン、メルヴィルから、ヘンリー・ジェイムズ、フランク・ノリス、20世紀のヘミングェイ、フィッツジェラルド、フォークナー、第二次大戦後のカポーティ、サリンジャーにいたる、アメリカ文学史において太文字で特筆される男性作家たち。彼らは、その作品中で女性登場人物にどのような視線を向け、そして彼女たちをどのように描いてきたのか。
視線と欲望、女性のセクシャリティ、身体性といった観点から数々のアメリカ小説を読み直し、男性作家たちが(そして同時代の読者もまた)内面化していた、男性性に基づいた価値観を、そしてその変遷をあとづける。
【主要目次】
第一部 欲望の誕生─覗かれる身体
1.都市の欲望─ポーの推理小説と覗き見の視線
2.さらし台と個室の狭間で─ホーソーンとメタフィクションの試み
3.語り手はなぜ語ったか─閉じ込められる「バートルビー」
4.覗き返す視線─ジェイムズの国際状況小説と都市
第二部 陵辱される女たち─欲望する身体
1.性欲の詩学─殺害されるポーの女性たち
2.敷居に立つヘスター・プリン─『緋文字』における性欲の感染
3.欲望の荒野─トウェインのレイプ願望
4.麻酔、マゾヒズム、人種─『マクティーグ』における痛みの認識論
5.素脚を見せるブレット・アシュリー─矛盾する欲望と『日はまた昇る』
6.音のない炎─欲望の象徴としての『サンクチュアリ』
7.近親相姦の時代─『夜はやさし』の欲望を読む
8.創造と陵辱1─『誰がために鐘は鳴る』における性的搾取の戦略
第三部 見られる男たち─内なる他者としての身体
1.創造と陵辱2─『河を渡って木立の中へ』における性的搾取の戦略
2.異形の身体─サリンジャー作品に見られる身体へのまなざし
3.冷戦下のカメレオン─トルーマン・カポーティの同化の戦略
4.ポーの見たサイボーグの夢
著者紹介
高野泰志(タカノ ヤスシ)
京都大学文学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。
岩手県立大学講師を経て、現在、九州大学大学院人文科学研究院准教授。
専攻はアメリカ文学、とくにアーネスト・ヘミングウェイを中心に研究。
著書に『引き裂かれた身体─ゆらぎの中のヘミングウェイ文学』(松籟社)、『悪夢への変貌─作家たちの見たアメリカ』(共編著、松籟社)、『ヘミングウェイと老い』(編著、松籟社)、『アーネスト・ヘミングウェイ─21世紀から読む作家の地平』(共著、臨川書店)、『アーネスト・ヘミングウェイ、神との対話』(松籟社)など。
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関連書
高野泰志『アーネスト・ヘミングウェイ、神との対話』
高野泰志『引き裂かれた身体 ―ゆらぎの中のヘミングウェイ文学―』
高野泰志・編著『ヘミングウェイと老い』
福岡和子+高野泰志・編著『悪夢への変貌 ―作家たちの見たアメリカ―』
千葉義也・編著『日本におけるヘミングウェイ書誌』
金澤哲・編著『ウィリアム・フォークナーと老いの表象』
金澤哲・編著『アメリカ文学における「老い」の政治学』