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島の「重さ」をめぐって
キューバの文学を読む
久野量一 著
2018年5月30日
定価:2,000円+税
四六判・ハードカバー・256ページ
ISBN:978-4-87984-364-7
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内容紹介

  キューバの芸術においては、二つの潮流、二つの詩学がある。
  ――キューバは世界史上の磁場であり、特別な存在である、ゆえにこの島は「重い」。
  ――キューバは曖昧で不明瞭な存在だ、言わばこの島には「重さがない」。
  自らのアイデンティティを自明視する「肯定の詩学」と、それを疑う「否定の詩学」。
  相反する二つの詩学を両輪に走り続けてきたキューバの文学を、複眼的な視線で追う。


【主要目次】
序章  キューバ、「肯定の詩学」と「否定の詩学」

第一部  ピニェーラとアレナス
  第一章  断片の世界─ビルヒリオ・ピニェーラを読む
  第二章  ブエノスアイレスのビルヒリオ・ピニェーラ
  第三章  革命とゴキブリ─作家レイナルド・アレナス前夜

第二部  革命と知識人たち
  第四章  騒々しい過去と向き合うこと─ラファエル・ロハス『安眠できぬ死者たち―キューバ知識人の革命、離反、亡命―』をめぐって
  第五章  『低開発の記憶』にみるエドムンド・デスノエスの苦悩
  第六章  亡命地としてのアルゼンチン─アントニオ・ホセ・ポンテとカリブ文学研究をめぐって─

第三部  冷戦後のキューバ文学
  第七章  「革命文学」のゆくえ
  第八章  ポストソ連時代のキューバ文学を読む─キューバはソ連をどう描いたか?─
  第九章  反マッコンド文学─二十一世紀キューバにおける第三世界文学とダビー・トスカーナ『天啓を受けた勇者たち』


著者紹介

久野量一(くの  りょういち)
  1967年生まれ。東京外国語大学地域文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。
  現在、東京外国語大学准教授。
  専攻はラテンアメリカ文学。
  訳書に、フアン・ガブリエル・バスケス『コスタグアナ秘史』(水声社)、フェルナンド・バジェホ『崖っぷち』(松籟社)、ロベルト・ボラーニョ『鼻持ちならないガウチョ』(白水社)、『2666』(共訳、白水社)などがある。


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関連書

安藤哲行『現代ラテンアメリカ文学併走』
フェルナンド・バジェホ(久野量一 訳)『崖っぷち』

シリーズ「創造するラテンアメリカ」