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新刊.com
2003-05-26 : 【新刊.com 2003/6】
                             2003/5/26
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           新刊.com   6月号     
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新刊.comをお届けします。

実際に書店にうかがって、書店員の方とお話しするたびに、現場の声は大事
だとあらためて感じます。流通の問題点や書籍のデジタル化にどう対処して
いくかなど、日頃みなさんが問題意識を持って取り組んでおられる事柄につ
いて、ぜひご意見をいただいて、本メルマガ上で考えてみたいと思います。


■□■今月号のもくじ
□新刊案内
■ ●文学
□ ●教育
■ ●経済
□ ●福祉
■ 連載企画 〜書店の店頭から・番外編〜
□      第8回 松尾 陽一郎さん(学文社・「でるべんの会」代表)
■        ───「客」の立場で書店を変える


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■新刊案内
それでは新刊のご案内です。今月は5冊ご紹介します。

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●文学─評伝、近代詩、詩史
『『海港』派の青春──詩人・北村初雄』 江森國友 著  四六判・184頁
[発行]以文社  [刊行日]03/5/1  [本体価格]1800円
[ISBN]4-7531-0026-2 C0095
[取次]ト、ニ、大、太、栗、中、八木書店、日教販、協和
※返品お受けします

[内容]震災前、輝かしい国際港都ヨコハマに生きた夭折の詩人・北村初雄。
合著詩集『海港』の詩人たちの青春と青春の友情が生む「詩」の姿。

[類書]
『大正生命主義と現代』鈴木貞美 編/河出書房新社
『鵠沼・東屋旅館物語』高三啓輔 著/博文舘新社
『詩人 柳沢健』小野孝尚 著/双文社出版
『編年体大正文学全集 第7巻』紅野敏郎 編/ゆまに書房
『編年体大正文学全集 第8巻』紅野謙介 編/ゆまに書房


●文学─評伝、詩、詩史
『死の骨董──青山二郎と小林秀雄』永原孝道 著  四六判・224頁
[発行]以文社  [刊行日]03/5/8  [本体価格]2800円
[ISBN]4-7531-0025-4 C0095
[取次]ト、ニ、大、太、栗、中、八木書店、日教販、協和
※返品お受けします

[内容]骨董をめぐる青山二郎と小林秀雄の確執をはじめて本格的に論じ、第
6回三田文学新人賞を受賞した労作。小林の批評の誕生の現場に迫る。

[類書]
『いまなぜ青山二郎なのか』(新潮文庫)白州正子 著/新潮社
『日本人の目玉』福田和也 著/新潮社
『青山二郎全文集』(ちくま学芸文庫) 筑摩書房
『鎌倉文士骨董奇譚』(講談社文芸文庫)青山二郎 著/講談社
『眼の哲学・利休伝ノート』(講談社文芸文庫)青山二郎 著/講談社


●教育
『新 生涯学習・人権教育基本資料集』
金 泰泳・白石正明・中島智枝子・三原容子編  A5判並製・374頁
[発行]阿吽社  [刊行日]03/5/5  [本体価格]2380円
[ISBN]4-900590-75-4 C1037  [取次]二、ト、大
※返品はすべてお受けいたします

[内容]“人権の時代”と期待された21世紀、凄惨な戦争で幕を開けた。弱者
が痛めつけられる今、私達はどのように生きるのか─基本資料94点。

[類書]
『人権教育の実践を問う』八木英二 編/大月書店
『同和教育実践がひらく人権教育』森実 編・著/解放出版社
『人権教育・啓発を問う』梅田修 著/部落問題研究所
『人権教育の明日を拓く』 北窓正明 著/明治図書出版
『人権教育を生かした学級づくり1』 新保真紀子 著/明治図書出版


●経済
『21世紀東アジアの中小企業─日・韓・中の政策と現状─』
  大阪経済大学 中小企業・経営研究所編  四六判上製・176頁
[発行]阿吽社  [刊行日]03/5/20  [本体価格]2200円
[ISBN]4-900590-76-2 C1033  [取次]二、ト、大
※返品はすべてお受けいたします

[内容]いまアジアの中小企業は模索する─日・韓・中の直面する経済状況下
の企業の現状と政策を、研究者・実務者が論じた国際シンポジウム。

[類書]
『中国の中小企業改革の現状と課題』西川博史ほか 編・著/日本図書センター
『北東アジアの産業連携』関満博 著/新評論
『世界の工場 中国華南と日本企業』関満博 著/新評論
『アジア経済:リスクへの挑戦』浦田秀次郎 編・著/勁草書房
『「現代アジア」のダイナミズムと日本』
      高崎経済大学附属産業研究所 編/日本経済評論社


●福祉─医療問題、ルポ
『国保崩壊』   矢吹紀人・相野谷安孝 著  四六判上製・240頁
[発行]あけび書房  [刊行日]03/5/15  [本体価格]1700円
[ISBN]4-87154-044-8 c3036  [取次]ト、二、阪、洋、栗、ほか
※返品お受けします

[内容]高い国保料と不況のため、国保料滞納者が急増している。行政は彼ら
を悪徳滞納者と決めつけ、保険証を渡さない。その結果、医者にかかれず、
悲劇が頻発。その実態をルポする。

[類書]
『国が医療を捨てるとき』相野谷安孝 著/あけび書房
『苦悩する市場原理のアメリカ医療』
        アメリカ医療視察団 著/あけび書房
『開業医はなぜ自殺したのか』 矢吹紀人 著/あけび書房
『国民健康保険の改革を私たちの手で』安達智則 編/自治体研究社
『正直者が馬鹿を見る国民健康保険』(宝島社新書)松谷宏 著/宝島社


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■連載企画  
 「書店の店頭から」番外編をお届けします。前回に引き続き、学文社/で
るべんの会の松尾 陽一郎さんのご登場です。

 行きつけの書店の棚が、いつのまにか自分好みの棚に変わっていた、とい
う不思議な経験をした松尾さん。そこに、客が発するモノをつかむ、書店の
営業努力を見てとります。


※「でるべんの会」ウェブサイトのurlは、
http://members.tripod.co.jp/deruben/
です。

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●書店の店頭から(番外編)  第8回
            松尾 陽一郎(学文社/「でるべんの会」代表)

 幼稚園卒園のときは、なりたい職業は「本屋さん」と書いたことを憶えて
いる。幼いころから本が好きで、本に囲まれている仕事に憧れていたのだろ
う。なりたい職業はいろいろと変わりはしたし、「本屋さん」にはならなか
ったが、今、奇しくも本にたずさわる仕事に就いた。なんだかめぐりめぐっ
てという感じで不思議な気がする。

 年はとっても、書店のはしごは日課だった。今でも週に4回は「客」とし
て本屋に行かないと気がすまない。勤める出版社は、大学テキスト・専門書
を主に出版しているが、その性質上、営業活動は書店営業よりも、大学の先
生方を回ることにウェイトが置かれているので、どちらかと言うと(時期に
もよるが)仕事として行くほうが少ないくらいだから困ったもので、こうなる
とこれはこれで問題とも思える。

 専門書店とか大型書店とか関係なく書店というのは楽しい。ここのところ
どこの書店でも同じようなものしか並んでいないという「金太郎飴書店」で
つまらないなどと言われることが多いが、僕はあんまりそんなふうには思っ
たことはない。それぞれになんだかんだ言っても特色や特徴が出てくるもの
である。

 会社近くのときどき客として顔を出して雑誌を買っている書店は、品揃え
が僕好みになってきた(ような気がする)。そこは駅前にある間口の小さな書
店で、寄っているうちに雑誌を購入するようになっていた。そうして何度か
足を向けていると棚も不思議と見やすくなってくる。愛着が出てくるからな
のだろうか。ただの目のなれなのか。いや、この書店の主人はなかなかどう
して考えているのである。書店の主人みんながみんなそうではないかもしれ
ないが、おそらく、この主人は「僕」という客の好みを研究し、「これを置
いたら買うな・・・」と作戦を練っているのだろう。それにまんまと僕はハ
マっているわけだ。そりゃあ、書店さんだって売れた本を分析し、次の本の
仕入れに反映させるのである。だから、雑誌に関してはもっぱらその書店で
買うようになって現在に至っている。

 自分が出版社に勤めていることもしゃべってはいないし、あの雑誌、この
雑誌を置いといて欲しいとも頼んだこともない。挨拶さえもまともにしたこ
となどない。ただただ、その日の気分によって本を買ったり買わなかったり
のごく普通の客。そんなどこにでもありそうな何気ない書店の棚も、その店
に何度も通ううちに、書店の側がこちらの傾向を察して、棚を何気なく作り
替えている。その気になれば「客」の立場で変えられるのである。もちろ
ん、「客」が発したモノをつかまなければなにも変わらない。でもその主人
はしっかりと「客」である僕を見ていてくれた。町の間口の小さな書店から
そんなことを思った。書店の人たちにとって、やはり客から学ぶべきものが
多いのではないだろうか。

                           (第8回 終)

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  発行担当 木村 浩之
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