2003/3/31
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新刊.com
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「新刊.com」4月号をお届けします。
暖かくなってきました。編集部のある京都では、桜がまもなく見頃です。
さて、新年度ということで、新しいメンバーを迎える書店さんも多いので
は。それがきっかけとなって、現場により一層の活気が生まれることを願っ
ています。
■□■今回のもくじ
□新刊案内
■ ●思想
□ ●教育
■ ●その他
□ 連載企画 〜書店の店頭から〜
■ 第6回 福嶋 聡さん(ジュンク堂書店 池袋本店)
□ ───興味のあることは、やり続けろ
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■新刊案内
それでは新刊のご案内です。今月は3冊ご紹介します。
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●思想―西洋文化史哲学
『可能性感覚――中欧におけるもうひとつの精神史』
大川勇 著 A5判並製・480頁
[発行]松籟社 [刊行日]03/2/20 [本体価格]4200円
[ISBN]4-87984-223-0 C0010 [取次]二、ト、大、栗、太、地
※返品はすべてお受けいたします
[内容]可能性感覚―現実という固定した枠組みからの超出をうながす意識・
思考のこと。ムージル、マッハらヨーロッパにおける〈もうひとつの別の〉
感覚の系譜を析出。
[類書]
『ムージル著作集』松籟社
『ムージル書簡集』円子修平 編訳/国書刊行会
『ウィーン精神』W.M.ジョンストン 著・井上修一ほか 訳/みすず書房
『ライプニッツ著作集』工作舎
『イデオロギーとユートピア』K.マンハイム 著・鈴木二郎 訳/未来社
●教育
『学校の境界』 中島勝住 編・著 四六判並製・296頁
[発行]阿吽社 [刊行日]03/3/20 [本体価格]2360円
[ISBN]4-900590-74-6 C0037 [取次]二、ト、大
※返品はすべてお受けいたします
[内容]すべては学校の境界から─学校の危機が叫ばれ、性急な教育改革への
声が社会を覆っている今、学校のウチとソトをつないで発信する学校論。
[類書]:
『配給型学校教育の終焉』川端幹雄 著/チクマ秀版社
『さよなら学校化社会』上野千鶴子 著/太郎次郎社
『子どもたちはどうつまずくか』ジョン・ホルト著/評論社
『義務教育という病い』クリス・シュート著/松籟社
『脱学校の社会』イリイチ 著/東京創元社
●その他―旅行ガイド
『美味くて安心自然派の宿 2003年版』
自然食通信編集部 編 A5判・216頁
[発行]有限会社自然食通信社 [刊行日]03/02/25 [本体価格]1800円
[ISBN]4-916110-16-1 [取次]二、ト、大、栗、太
※返品条件付き注文で出荷いたします。(担当 山木・尾川)
[内容]全国のエコロジカルでエコノミーな宿180軒を紹介。2003年版はグリー
ンツーリズムの宿も増え、スローを志向する旅にぴったりのガイドブックに。
[類書]
『日本縦断オフィシャルガイド 愛を耕す東日本編』斉藤政喜 著/小学館
『日本列島地図の旅 続々』大沼一雄 著/東洋書店
『全国ペットと泊まれる宿』ブルーガイド編集部 編/実業之日本社
『大人のための修学旅行 』武光誠 著/河出書房新社
『これからのグリーン・ツーリズム』宮崎猛 編・著/家の光協会
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■連載企画
棚づくりに奮闘されている書店員さんが、自らの仕事ぶりや書店員として
日々考えていることをお伝えします。あわせて、現在の出版業界への提言な
ども。
前回に引き続き、ジュンク堂書店池袋店の福嶋 聡さんにご寄稿いただき
ました。
チームプレーとしての、本を売る/届けるしごと。新しくチームの一員と
なるフレッシュマンへの、福嶋さんのメッセージとは。さらに、書店内での
チームプレーから、業態を越えた連携へと話題は及びます。
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●書店の店頭から 第6回
福嶋 聡(ジュンク堂書店 池袋店)
四月は「フレッシュマン」の季節である。ぼくが毎年新入社員に与えるア
ドバイスは、「興味のあることは、やり続けろ」ということだ。大学時代の
研究対象が面白かったのならその勉強を続ければいい。絵画や音楽、演劇と
いった芸術活動も続けていくべきだ。スポーツもいいし、旅行などの趣味も
いい。好きなことを続けていくこと、そのことを実現するしたたかさとしな
やかさを持つこと、それは、職場である書店現場を活気づけることに繋がる
からである。ぼくらヴェテランは、そうした若手の活力を吸い取って生き延
びていくのだ、といっても過言ではない。
書店人には、到達点はない。ここまで覚えれば充分、という里程標はな
い。常に新しきを吸収し、古きを温める姿勢を要求される。禅の言葉でいえ
ば、「竿頭進歩(かんとうしんぽ)=竿頭から踏み出すこと。あらゆること
を究め、極め、そして窮め尽くしたところであってもそこに安住してはなら
ない。」が大切なのである。だからこそ、重要なのはそうした姿勢を取り続
けることのできる活力なのだ。
前回に指摘したチームプレーの環は、一会社内に留まるものではない。本
を売るというわれわれの仕事が、読者あってこそ成立するのであれば、子供
の頃お使い帰りに立ち寄った商店街の書店から、専門書を取り揃える巨大書
店まで、それぞれの役割を持ちながら読者と対面しているのである。同業他
社の人たちとのさまざまな連携、互いの切磋琢磨を期待したい所以である。
さらにそうした連携は、業種を越えてあるべきだろう。みすず書房を立ち
上げた小尾俊人氏の『本は生まれる、そしてそれから』(幻戯書房)の帯
に、「著者は種おろしであり、出版者は苗をそだてる人、書店は摘みとった
糧をひろく播き、古本屋と図書館は刈り入れて、整理し、保存する人であ
る。そして読者によって世界の貌は変わってゆく。」とある。「本を届け
る」というしごとにおいて、ぼくは業態を越えた広範囲でのチームプレイ
を、これからも志向していきたいと思う。
(第6回 終)
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