2002/10/28
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新刊.com
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「新刊.com」11月号をお届けします。
先日、鳥取県米子市で行われた大山緑陰シンポジウムに参加し、多くの書店員
の方々からお話を聞く機会を得ました。現場からの声は、「新刊.com」編集にあ
たって大いに参考になりますので、皆様もぜひ、率直なご感想・ご意見をお寄せ
下さい。
■□■今回のもくじ
□新刊案内
■ ●哲学
□ ●その他
■連載企画 〜書店の店頭から〜
□ 第2回 佐野 衛さん(東京堂書店 神田店)
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■新刊案内
さっそく、新刊のご案内です。今月は3冊ご紹介します。
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●哲学
『女は何を欲望するか?』 内田樹 著 四六判・216頁
[発行]径書房 [発行日]02/11/12 [本体価格]1800円
[ISBN]4-7705-0180-3 [取次]日、ト、大、太、栗、中、八木書店、三和
※フリー入帳です
[内容]文学論と映画論から、〈全能感をもたらす思想〉フェミニズムの核心に
鮮やかに迫る問題の書。「おじさん的思考のマナー」も養えます。
『寝ながら学べる構造主義』内田樹 著/文芸春秋
『「おじさん」的思考』内田樹 著/晶文社
『ためらいの倫理学』内田樹 著/冬弓舎
『大人は愉しい―メル友おじさん交換日記』内田樹・鈴木晶 著/冬弓舎
『言語的思考へ』竹田青嗣 著/径書房
●哲学−2
『〈新生〉の風景――ロラン・バルト、コレージュ・ド・フランス講義』
原宏之 著 四六判並製・240頁
[発行]冬弓舎 [発行日]02/11/25 [本体価格]1800円
[ISBN]4-925220-07-1 [取次]地
[内容]バルトの最晩年の講義(未公刊)の全容を世界初紹介。同時に彼の死後に
残された「新生メモ」の謎に迫る。はたしてバルトは小説を書いていたのか?
[類書]
『テクストの快楽 』ロラン・バルト著/みすず書房
『明るい部屋』ロラン・バルト著/みすず書房
『ミシュレ』ロラン・バルト著/みすず書房
『ちくま哲学の森 8 生きる技術』 鶴見俊輔ほか 編/筑摩書房
『カルヴィーノの文学講義』イタロ・カルヴィーノ著/朝日新聞社
●その他−住民運動・農業
『熱田てる物語 おっかあの三里塚闘争史』
語り・熱田てる/編・山根克也 A5判上製・180頁
[発行]実践社 [発行日]02/11/20 [本体価格]1500円
[ISBN]4-916043-60-X [取次]地
★[内容]反対同盟元代表熱田一夫人が語るもうひとつの三里塚闘争史。兄の
戦死、電気も井戸もない開拓農家への嫁入り……やがて北総台地を揺るがす
成田空港反対闘争が始まった。
[類書]
『三里塚(三一新書 697)』 朝日ジャーナル編集部 編/三一書房
『三里塚と共に三十年』 永井満 著/御茶の水書房
『成田空港って何だろう』松岡秀雄 著/緑風出版
『成田空港365日』原口和久 著/崙書房出版
『全国地方自治体政策案内』 全国地方自治研究会 編/三一書房
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■連載企画
棚づくりに奮闘されている書店員さんが、自らの仕事ぶりや書店員として日々
考えていることをお伝えします。あわせて、現在の出版業界への提言なども。
前回に引き続き、東京堂書店神田店、佐野 衛さんにご寄稿いただきました。
近年、多くの中小書店が無くなったことの影響がじわりと……書店の現場での問
題点を、佐野さんが分析します。
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●書店の店頭から 第2回
佐野 衛(東京堂書店 神田店)
数年前から、コンビニでの雑誌、コミック、文庫の売り上げシェアーが増大し
ている事は周知の通りであろう。セブンイレブンだけでも、丸善や紀伊国屋の売
り上げをしのいでいると言う。それも上述の三銘柄によってである。それでも出
版業界の売り上げは四年連続でマイナスと言う事である。コンビニの出版物販売
の参入で中小書店は大幅に閉店に追い込まれてしまった。さらに新古書店や万引
きと言った問題もある。しかしそうした市場で、社会科学書や自然科学書が販売
されていると言った情報は聞かない。
人文系の書籍が売れなくなったと言う話をよく聞く。それらはコンビニの台頭
によって、多くの中小書店が消えてしまったことの影響かもしれない。大型書店
がそうした販売を担っているのだろうが、今では社会科学や自然科学の分野に専
門的な知識を持っていない店員が多いのも事実だ。せいぜいマスコミで喧伝され
る経済問題や政治的スキャンダルに関する本を新刊台に平積みするぐらいであろ
う。いずれにしても一過性の話題本が新刊台を席巻しているのである。
書店人の薦める本などと言った読書では到底現代の状況を深く、革新的に考察
しようとしている書籍など探し出す事は困難だ。とすれば、理想的なのは、そう
した学問的営為を続けている学者たちが、書籍配列のレイアウトをする事であろ
う。要するに書店では書籍配列のレイアウトが作れないのである。現代では、学
問は越境的であり、相互にオーバーラップしているため、単なるジャンル配列で
は逆にコンテクストが分断されてしまい、棚を見ている読者からすれば、配列の
流れが見えない。一方、類似本をまとめてみたり、同じ著者の本を一堂に展開す
ると言った配列は、どうやら違和感を伴うようだ。そのあたりが書店人にはなか
なか読めない。
中小書店で長い間働いてきた人々は、それなりの経験があり、新刊が出ても曲
がりなりにも自分流のコンテクストの中に取り込む事ができたであろう。しかし
現在ではそれも望めない状態だ。書店員にしてもコンビニの店員にしても若い人
ばかりが目に付く。書店でもある程度の年齢に達すると現場から退いてしまう。
ちょっと考えてみよう。読者は若い人ばかりではない。読者の年齢層は、幅が広
い。ところが販売員の年齢は限定されてしまっている。これはビジネスマン的企
業範例が書店業界にも浸透していると言えばそれまでであろう。だが、出版業界
が文化事業の一環だとすれば、単なるビジネスでは済まされないだろうし、その
影響が現在ひずみとなって現出していないだろうか。
つまりは、書店員は読者の年齢層に対応する年齢層を擁して作業にあたらなけ
ればならないのではないのだろうか。少なくともさまざまな人間的経験に対応し
うるような、品揃えと販売体制はできるのではないだろうか。
(第3回へ続く)
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