2002/9/24
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新刊.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 創刊準備号 ━
「新刊.com」創刊準備号をお届けします。
夏の暑さも去り、ようやく、涼しい、すごしやすい秋がやってきました。
読書の秋を迎え、皆様のお店ではどのような企画をお立てになるのでしょうか?
■□■今回のもくじ
□新刊案内
■ ●哲学
□ ●社会学
■ ●教育
□ ●その他
■連載企画 〜書店の店頭から〜
□ 第1回 佐野 衛さん(東京堂書店 神田店)
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■新刊案内
さっそく、新刊のご案内です。今月は5冊ご紹介します。
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●哲学
『不確定な唯物論のために』【増補新版】
ルイ・アルチュセール、フェルナンダ・ナバロ 著 四六判・170頁
[発行]大村書店 [刊行日]02/9/24 [本体価格]2200円+税
[ISBN]4-7563-2032-5 [取次]二、ト、大、栗、太、中
※フリー入帳です
[内容]マルクス主義哲学者アルチュセール、最晩年の思想が、メキシコ人哲学者
との対話から明かされる。「偶然の出会い」を組み込んだ新しい唯物論。
[類書]
『資本論を読む』ルイ・アルチュセールほか 著/合同出版
『マキャヴェリの孤独』ルイ・アルチュセール著/藤原書店
『マルクスのために』ルイ・アルチュセール著/平凡社
『現代思想の冒険者たち 22 アルチュセール』今村仁司 著/講談社
『ルイ・アルチュセール 訴訟なき主体』エリック・マルティ著/現代思潮新社
●社会学−1
『こんなご時世 戦争論を読む』 荒 岱介 著 四六判上製・176頁
[発行]実践社 [刊行日]02/8/30 [本体価格]1400円
[ISBN]4-916043-58-8 [取次]地
[内容]戦争はゴメンだ!やめさせるためには戦争論を知らなくちゃ!9・11以降の
世の中で平和を問うアプローチとして、クラウゼヴィッツやジョミニを読み解く。
[類書]
『戦争論(岩波文庫)』クラウゼヴィッツ著(篠田英雄訳)/岩波書店
『戦争概論(中公文庫)』ジョミニ著(佐藤徳太郎訳)/中央公論新社
『戦争論(岩波新書)』多木 浩二 著/岩波書店
『9.11』ノーム・チョムスキー著(山崎淳訳)/文芸春秋
『新しい戦争?』中山元 著/冬弓舎
●社会学−2
『理戦70』 A5判・208頁
小出裕章/小村浩夫/藤田祐幸/村田光平/宮台真司/重信命/天笠啓 著
[発行]実践社 [刊行日]02/9/30 [本体価格]1143円
[ISBN]4-916043-59-6 [取次]地
[内容]大地震が起きたときに原発はどうなるのか。「原発震災」に迫る第一特集。
韓国、台湾からのレポートも。第二特集は「反グローバリズム・ガイダンス」。
[類書]
『地震と原子力発電所』藤井陽一郎 編/新日本出版社
『柩の列島 原発に大地震が襲いかかるとき』広瀬隆 著/光文社
『大震災以後』「科学」編集部 編/岩波書店
『静岡県は大丈夫か?』水野誠一 編・著/野草社
『市民の科学をめざして』高木仁三郎 著/朝日新聞社
●教育
『義務教育という病い』
クリス・シュート 著(呉宏明 訳)四六判並製・240頁
[発行]松籟社 [刊行日]02/9月末 [本体価格]1800円(予価)
[ISBN]4-87984-222-2 C0037 [取次]二、ト、大、栗、太、地
※返品はすべてお受けいたします
[内容]日本では様々な教育改革が声高に唱えられているが、そもそも、学校と
いう場での義務教育は本当に必要なのだろうか?イギリスの現場からの警告!
[類書]
『学校は義務じゃない』エデュケーション・アザワイズ著/明石書店
『さよなら学校化社会』上野千鶴子 著/太郎次郎社
『子どもたちはどうつまずくか』ジョン・ホルト著/評論社
『学校に行かないで生きる』渡辺位 著/太郎次郎社
『脱学校の社会』イリイチ著/東京創元社
●その他−歴史
『宮本常一の伝説』 さなだ ゆきたか 著 A5判・342頁
[発行]阿吽社 [刊行日]02/8/15 [本体価格]3300円 [刷部数]1000
[ISBN]4-900590-73-8 [取次]二、ト、大
※返品はすべてお受けいたします
[内容]『忘れられた日本人』の著者・宮本常一。その生涯を丹念に紐解き、
“旅の人”のイメージに隠された<もう一つの旅>の跡をたどる。
[類書]
『日本民衆史 3 海に生きる人びと』宮本常一 著/未来社
『塩の道(講談社学術文庫)』宮本常一 著/講談社
『忘れられた日本人(岩波文庫)』宮本常一 著/岩波書店
『旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三』佐野真一 著/文芸春秋
『高校生のための小説案内』(「土佐源氏」収録)清水良典ほか 編/筑摩書房
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■連載企画
棚づくりに奮闘されている書店員さんが、自らの仕事ぶりや書店員として日々
考えていることをお伝えします。あわせて、現在の書店・出版界への提言なども。
今回は東京堂書店 神田店、佐野 衛さんの登場です。何回かに分けてお送り
していきます。
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●書店の店頭から 第1回
佐野 衛(東京堂書店 神田店)
本が売れなくなったので、書店として何か対策はないのかといったような要請
が当てられた。当店でも採算を維持し得ない状況がつづいている。しかし自分の
書店や自分の出版社のことだけを考えて打開しようとしてもうまくいかないので
はなかろうか。それというのも、現在売れないのは本だけではないからである。
景気の低迷という言い方をすれば日本経済、ひいては世界経済全般にわたる問題
になってしまう。書店では景気の波に浮いているしかないが、出版社ではそうし
た問題を解決できるような出版物を世に送り出すことができるであろう。時代が
必要とするテーマ、そしてそれを解決に導く内容、したがってそれ向きの研究書
や解説書が出版されていないのが現状なのであろう。「資本論」は膨大な参考文
献から生まれたのだし、「一般理論」も閉塞状況から生まれた。しかし現代には
そうした書物も現れないのだから、それに関する解説書もない。現代思想は異議
申し立てをしたが、自らを取りまとめる事もしないまま年をとってしまった。熟
慮しない情報ばかりが駆け巡る状況の中では右往左往するばかりで、何かが形成
される前に泡のようにはじけてしまう。要するに泡のような本が市場に氾濫して
いるのではないか。研究者もちょっとしたベストセラーが出ると出版社はつぎつ
ぎと出版を要請し、落ち着いた研究もできずに歳を重ねてしまう。
本の流通はどう進化したのだろうか。もともと流通は大量の製品を効率よく移
動させる装置であるが、ここで注意しておくことは大量という物であろう。それ
は講談本や読み物から始まり、雑誌やコミックに対応するような物流装置として
展開してきた。この装置には多品種、小部数の単行本はふさわしくなかったので
はなかろうか。物流が進化するにつれて齟齬が拡大してしまったのかもしれない。
書店の数が増えたのも大量の商品が流れての事である。小部数の書籍がこれらの
書店にいきわたるわけもなく、どの書店でも大部数発行の雑誌や文庫、ベストセ
ラー作家の単行本といった類である。一般読者もそうした状況になれてしまい、
難しい本が書店においてあるというイメージが希薄になってしまう。こうした習
慣から、読者も自分で考える本などよりは、わかりやすい、面白い、感性に即効
的に刺激を与えるものに興味が移行してしまったのであろう。
出版社も規模が大きくなりそれを維持発展させるために大量生産販売そして、
当たらなければ次々と大量出版せざるを得なくなったという事情もあろう。客観
的なデータを提示しているわけではないのでこれらの事柄も想像の域を出ないの
であるが、とりあえず大局的な場面への管見としておこう。次回から少しずつ本
を扱う現場へと視点を移してみよう。
(第2回へ続く)
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