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歌声の共同体―ドイツ青年音楽運動の思想圏 |
牧野広樹 著 |
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定価:本体3800円+税 |
ISBN:978-4-87984-418-7 |
2022年2月15日発売 |
内容紹介
集い共に歌を歌うことで人間的なつながりを取り戻そうとする〈音楽による共同体〉は何を夢見ていたのか。歴史、文化、政治思想からドイツ青年音楽運動の多層性を検討する。
【本書の目次】
はじめに
序論 ドイツ青年運動と音楽―ドイツ青年運動概略史
1 ヴァンダーフォーゲルの勃興から1913年の自由ドイツ青年大会まで
2 ヴァイマル共和国期における「同盟青年《
3 ドイツ青年運動の一傍流としての青年音楽運動
第1部 歴史的検討
第1章 1930年代初頭の評価
はじめに
1 青年音楽運動における1933年の協議および政治的決定
2 青年音楽運動における「マルクス主義《批判とその応答
3 1933年および1934年における政治的決定と態度表明
おわりに
第2章 第二次世界大戦後の評価
はじめに
1 否定的評価―ナチズムに帰結する青年音楽運動
2 肯定的評価―音楽教育における今日的意義
3 問題点と課題―歴史的位相の捨象
4 ヴァイマル共和国期における青年音楽運動の歴史的位相の解明のために
おわりに
第2部 文化論的検討
第1章 指導者論―フリッツ・イェーデと「導かない指導者《
はじめに
1 20世紀前半のドイツにおける指導者概念
2 イェーデにおける指導者概念―導かない指導者
3 イェーデにおける共同体モデル―親密圏を構築する場としてのドイツ青年運動
4 イェーデとヴィネケンの共通点と相違点―青年観、指導者概念、共同体モデル
おわりに
第2章 共同体論―共同体の様々な「かたち《
はじめに
1 イェーデにおける〈可能世界〉
2 ゲッチュにおける〈可能世界〉
3 フライヤーにおける〈可能世界〉
おわりに
第3章 聴覚論―「聴くこと《の可能性と限界をめぐって
はじめに
1 青年音楽運動とその歴史的評価
2 ヴァルター・ヘンゼルの聴覚論―原運動を聴き取る耳
3 ハンス・フライヤーの聴覚論―共振/共同する耳
おわりに
第4章 技術論―文明批判における音響メディアの利用
はじめに
1 レコードについての評価とその変遷
2 ラジオについての評価とその変遷
3 1950年代の技術論
おわりに
第3部 政治思想的検討
第1章 「共に在ること《から「同一性《へ
はじめに
1 イェーデの時代認識―アトム化する社会と関係性の分断
2 共同の音楽実践における「共在《の位相
3 「共在《の位相において開かれる関係性―コミュニティアートとの関連を中心に
4 共同の音楽実践における「統一性《の位相
5 「統一性《の位相において閉じられる関係性
おわりに
第2章 境界線を再編制する「青年音楽《
はじめに
1 『ドイツの青年音楽』出版前後の歴史的背景
2 「歌の祝福《と「歌の呪い《
3 回顧録に託される「第三帝国《の未来像
おわりに
第3章 青年音楽運動における「民主主義《と「保守主義《
はじめに
1 シュミットにおける「民主主義《
2 イェーデにおける「民主主義《と「保守主義《
3 「民主主義《という概念をめぐって
おわりに
補論 『ギター弾きのハンス』と民謡の「再発見《
はじめに
1 ヴァンダーフォーゲルにおける民謡の受容と『ギター弾きのハンス』
2 考察における基本的視座
3 『ギター弾きのハンス』における序文改訂
4 自由ドイツ青年大会における未来像
5 〈ドイツ的なもの〉と〈普遍的なもの〉のアマルガムとしての民謡
おわりに
結論 ドイツ青年音楽運動の多層性と歴史的帰結をめぐって
あとがき
初出一覧
参考文献一覧
人吊索引
事項索引
著者紹介
牧野広樹(まきの・ひろき)
1992年愛知県生まれ。2020年、京都大学大学院人間・環境学研究科研究指導認定退学。京都大学博士(人間・環境学)。
日本学術振興会特別研究員を経て、2021年度現在、立命館大学授業担当講師。専門は近現代ドイツ文学・文化研究。
主な業績に「沈黙するメデイア―クリスタ・ヴォルフ『メデイア さまざまな声』における語りと沈黙《(『Germanistik Kyoto』第22号)、「『ギター弾きのハンス』と民謡の「再発見《《(『音楽学』第67巻1号)、「青年音楽運動と音響メディア《(『ドイツ研究』第54号)がある。
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