境界の作家 ダニロ・キシュ
	奥 彩子［著］
	2010年2月13日発行
	定価：4000円＋税
	四六判・ハードカバー・367ページ
	ISBN:978-4-87984-280-0 C0098
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内容紹介

……キシュは、ハンガリーとユーゴスラヴィア、ハンガリー系ユダヤ人とモンテネグロ人、セルビア正教とカトリックとユダヤ教といった、地理と民族にはじまり、言語、宗教、文化にわたる「境界」に生をうけた。「境界」が鋭敏な意識に生み出す差異の感覚は、キシュを自己のアイデンティティの追求に駆り立てた。キシュは創作活動を通じて、境界性をつきつめることで普遍性を獲得しようと試みる。その意味で、キシュは、まさに「ユーゴスラヴィア」の作家、地理、民族、宗教の境界のせめぎ合いから開ける普遍的な地平にたどりついた作家、観念の共同体の作家と言ってよい。……（※本書「序章」より）

主要目次
序章  ダニロ・キシュ─生涯と作品

第一部  初期作品―原点の創作
  第一章  『屋根裏部屋』
  第二章  『詩篇四四』

第二部  中期作品─自伝的三部作
  第三章  『若き日の哀しみ』
  第四章  『庭、灰』
  第五章  『砂時計』

第三部  後期作品─短篇小説
  第六章  『ボリス・ダヴィドヴィチの墓』
  第七章  『死者の百科事典』
  第八章  「自由亡命」という選択

終章  境界の作家 ダニロ・キシュ

著者紹介

奥 彩子
  京都大学文学部卒業。ベオグラード大学留学を経て、京都大学大学院文学研究科修士課程修了。
  現在、共立女子大学専任講師。
  訳書に、キシュ『砂時計』（松籟社）、ダムロッシュ『世界文学とは何か』（共訳、国書刊行会）がある。

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関連書

キシュ『砂時計』（松籟社）
キシュ『若き日の哀しみ』（東京創元社）
キシュ／カルヴィーノ『庭、灰／見えない都市』（河出書房新社）